講演者:南野和治 会員

8月3日西老人会で話をしました。猛暑の日でしたが西公民館の会場は老人会の皆さんの熱意と真摯な受講態度で暑さも忘れる時間でした。
前半は噛むことを通して、口の健康、機能、役割について話し、後半は認知症防止について、話を進めました。口は食べる事が最大の目的であり、その機能である食べる力が衰えると老化が早まることを強調し、中でも噛むこと(咀嚼)、飲み込むこと(嚥下)の重要性を述べ、より一層お口に関心をもっていただきたいと考えてクイズを提出し口についての理解を深めました。

次に、現在の日本人の三大死因をあげ特に第三位となった肺炎は高齢者の死因のトップであること、中でも70歳以上では70%以上といわれる「誤嚥性肺炎」について説明し、その大きな原因である噛まない・飲み込む力の衰えをあげ、メーンである噛むことの八大効果を事例を交えて話しました。

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例えば噛むことで満腹中枢が刺激され満腹感を感じ過食(食べ過ぎ)を防ぎ肥満防止につながる。また、噛むことで出てくる唾液が食べ物に含まれる発がん物質を抑制、打ち消す働きをし、がんの予防となる。さらに噛むことで出てくる唾液の殺菌作用により歯の病気である虫歯・歯周病を予防する。
さらに脳の活性化ひいては認知症防止になるなどの効果を力説しました。そして話題を変えて、「噛む力」と「生命力」とは相関関係にあると言う説を提示し、よく噛んだ歴史上の代表的人物として徳川家康をあげ、彼の実践した一口48回噛むことが体力・生命力を培い維持した源の一因であることを説きました。

そして口の働きを高める体操としての健口体操。パタカラ体操・舌だし体操の二つを紹介し、会場の皆さんと一緒に行いました。後半は認知症防止について話を進めました。本題である日々の七つの生活実践により認知症の予防になることを、具体的な実践例をあげ、下記のように話を展開しました。

1、散歩するーーー脳への血流が増加、免疫力向上、できれば途中でスケッチしたり、俳句を創ったりしながらの散歩はより効果的。
2、料理をしようーーー感覚総動員(視覚、味覚嗅覚、触覚等)さまざまな感覚を使う。そして献立を考える(創造力)食材購入(計算力)
3、人とつきあうーーー孤立化しない、仲間、友人と話そう
4、新聞や本を読むーーー読むことで脳を刺激する。そして一部分でもよいから声に出して読もう、脳の様々な部位を活性化させる
5、日記を書こうーーー日記を書くことで毎日のけじめがつく
6、電車やバスに乗ろうーーー社会とつながる、かかわる、行先を確かめる、時刻表を見る緊張感を伴う、認知症防止となる、
7、常に異性を意識しようーーー「異性への関心とときめきこそが認知症防止の最良の秘訣」

 最後に、認知症防止の替え歌を皆さんと歌いまとめとしました。