講演者:長谷川 洋 会員

咀嚼 口腔ケア

10月12日(木)に新郷公民館の健康講座にて講演をさせていただき、当日は聴講に30名を超える熱心な皆さま方に足を運んでいただきました。

まず、最初に私が何故このテーマを選んだかについてお話しをして「アンチエイジングは大きな社会貢献である」の意味を説明いたしました。すなわち、健康寿命を少しでも伸ばすことによって日本の年間の医療費を少しでも低減させることが急務であり、これから迎える超高齢社会にとっては国の大きな政策課題となっています。その対策として、日頃自分に言い聞かせている健康になる為の秘訣5項目についてお話しをして、皆さんのQOLの向上のヒントと致しました。次に、健康の三原則とは①正しい食生活(Food)②適度な運動(Sport)③精神の安定(Spirit)と言われていますが、最も重要なことは①であり、健康の90%を占める「食」についてお話し致しました。

食生活を楽しむためには、口腔ケアが大切であり、歯周病を予防し、如何に自分の歯を大切にするか。その為には、正しい歯磨きの仕方、よく噛むことで唾液の働きを有効に利用することが大切です。歯周病菌は歯周ポケットの内側からの出血する血液中のヘモグロビンに含まれるヘミン鉄を好んで活発化するので、如何に口腔ケアが大切か、例えばチューインガムを噛むことの効果についても触れました。

食については白板を使って、皆さんに質問をして答えてもらいました。味覚とは何でしょうか。五感とは何でしょうか。和食に用いる出しにはどのようなものがありますか。「いただきます」「ごちそうさま」の意味は。…などに活発に応えてくれました。
その中で、例えば「辛い」は味ではなく刺激であり、次のように補足致しました。誤嚥を防ぐためには喉頭蓋の筋肉の動きが大切であり、辛味成分のカプサイシンによって誤嚥、強いては遺漏のお世話にならないようにする効果があります。
人間の歯は臼歯の数が20本であり、全体の62.5%です。一汁三菜を特徴とする和食の素材の中の炭水化物の割合と一致して健康の為には理想的です。

次に、アンチエイジングの課題の中で、最近、重要な課題となっている認知症についても触れました。予防の一つとして頭脳を使うことが大切であり、数字あてクイズや図形クイズに挑戦することや、頭を使う数学問題をお孫さん達と一緒に考えるのも方法です。特に数学問題の中には、実際と感覚の差で意外なことが発見できるので、そのギャップを楽しむ例をご紹介致しました。

最後に、私が日頃使用している健康グッズの幾つかをご紹介して締めくくりました。
休憩時間10分を挟んで1時間45分の講演は、あっという間でした。今考えると、この講演を通して一番勉強になったのは、準備に右往左往して臨んだ自分自身だったように思います。当日、会場の設定をして頂いた新郷公民館の館長さん、また講演を手伝っていただいた健康管理士会のスタッフの皆さまに心から感謝申し上げます。