講演者;田村欣也会員

ご一緒の長谷部さんと先月講演した方と内容が重ならないよう、口の機能低下と誤嚥性肺炎の防止から入りました。

入れ歯を含めて歯が20本以上あることが大切です。認知症になると口を開けなくなる傾向がありますから、早めに口の手入れをしてください。

食事では何といっても、ゆっくり何回も噛む事です。誤嚥傾向がなければ、固いものを奥歯で噛んでください。前歯で軟らかいものばかり食べていると噛みしめるための筋肉が衰えてしまいます。ゆっくり何回も噛むことは誤嚥や餅・ご飯による窒息死の予防にもなります。表情豊かにはっきり話すことやカラオケなどで口を大きく開けて唄うことも口の機能維持と誤嚥防止には大変良いのです。

誤嚥性肺炎は、筋力の低下で気管を閉じる喉頭蓋の働きが悪くなり、蓋をするのに時間がかかって蓋が閉じ切らない内に食べ物や唾液が気管に入ってしまう誤嚥がきっかけです。咳き込んだりむせたりしているうちはまだ良いのですが、繰り返しているうちに肺炎を発症します。高齢者は発熱などの症状が出にくいため、気づかず手遅れになりがちです。

普段からむせることが多くなったり、食事中に咳が出たり、食後に声が枯れたりしたら誤嚥を繰り返しているのかもしれません。そして風邪のような症状ながら、息切れや胸の痛みなどがあったら誤嚥性肺炎を疑って医師に診てもらってください。誤嚥性肺炎防止の対策はやはりゆっくり噛んで食べることです。慌てて食べると軟口蓋は上がっても喉頭蓋はタイミングよく下がらず、誤嚥を引き起こします。はっきり話すことや、歌を唄うのが良いのは声帯の筋肉も誤嚥防止に一役買っているからです。

このあと持病と上手に付き合うこつや熱中症予防などの話をしました。t