講演者;田村欣也会員
まず、気になったら病院でしっかり見てもらって下さい。
また、老化による認知機能の衰えと認知症との違いについて知ることも大切です。
例えば「物忘れ」は老化です。ヒントがあれば思い出せますが、認知症だと物忘れ自体の自覚がありません。「物とられ妄想」は財布を置いた場所という短期記憶が失われる一方で以前から財布を持っていたという長期記憶は消えていないという記憶のギャップからくる認知症の症状です。
では認知症は予防できるのか。予防や回復の確実な治療は残念ながらありません。
認知症と症状が少し似ているがそうでない場合のうつ病、睡眠障害、視覚・聴覚障害などの症状や、それよりは認知症に近いMCI(軽度認知障害)の場合はまず治療をきちんと受けることが大事です。そして、日常生活では多くの研究者によると①運動が最も効果的です。そして②偏食をしない食生活③脳を刺激する生活④社会とのつながりを大切にする生活⑤質の良い睡眠などが大切です。
最後に、認知症患者は多くの機能が残っており自分の状態をつらくもどかしく思っています。
どうか周りの人はそのことを理解し、優しく接してあげて下さい。それが認知症の症状を進ませないために実は最も大切なことなのです。