12月16日 新郷公民館

中鉢芳子 会員

先週12月8日、筑波・東邦大学の睡眠研究グループが、科学雑誌「ネイチャー」に「睡眠の量や深さは脳で制御されている」と論文発表しました。睡眠の量は視床下部、睡眠の深さは大脳皮質と呼ばれる部位が関わっている事が初めて判明し、今後は睡眠障害の治療法開発への成果に繋がりそうであるニュースを冒頭でお伝え致しました。夢に関しては認知症やうつ病等と共に脳領域であり「未解明部分が多数残る」とお伝えしてから講話を始めました。

レジュメ1番「夢の歴史」では、3つの視点から講話を組み立てました。

第1に古代の考え方。この当時、夢とは「神の領域、宗教的感覚」で外から入るものと考えられていました。具体例で本年話題の尼将軍北条政子の2つの夢と徳川家康の祖父松平清康の是の字寺を紹介しました。

第2に中世「夢診断」。フロイトは「無意識」の世界で古代とは180度違い「夢とは自分自身の中から生まれ出る」と主張し世の中に強い影響を与える流れになりました。

第3は近代の「科学分析」。睡眠中の脳波には5種類あり「測定fMRI」によって脳解析が身近になり、スポーツや医療現場で活かされつつある話題提供を致しました。

レジュメ2番、皆様に7~8分程度目を瞑って講演を聞いて頂きました。耳だけの集中講演は学習の効率化を図り、ほんの少し睡眠気分を味わい、レム睡眠とノンレム睡眠の違いを伝える事で双方が大切だと「耳と脳」だけで感じ取って頂けます。また睡眠リズム・役割・夢の仕組みをご理解頂く為に、年賀状や郵便ポストを「例え話」にして、海馬、大脳の働きで夢への影響をお話しました。

レジュメ3番は「夢の歴史」に被せ乍ら「金縛り」など身近な夢をご紹介し、深い睡眠中におこる「夢遊病」では受診の必要性をお伝えしました。最後に「初夢は一富士二鷹三茄子が叶いますように」と締めました。