藤本美枝 会員
骨には体を支える、動かす、脳や臓器を守ることの他に血液を作る、カルシウムを貯蔵するなどいくつもの役割があります。骨はコラーゲンとリン酸カルシウムとで出来ており、一定の濃度に保たれた血液中のカルシウムが足らなくなると骨に蓄えておいたカルシウムを血液へと供給し、そこにまた新しい骨を作るという新陳代謝をくり返します。この新陳代謝のバランスが崩れ、骨がスカスカになった状態が骨粗鬆症です。骨粗鬆症になるとささいなことでも骨折してしまい、寝たきりからそのまま介護へと繋がってしまう可能性があります。なので、ちょっとのことでは骨折しないような強い骨を作ること、また転倒しないような工夫をすることが大事になります。背が低くなった、背中が丸くなったなどの骨粗鬆症のサインに気づくこと、そして骨密度検査を定期的に受けてご自身の骨の状態を把握しておくことも大切です。
骨は負荷や衝撃を加えるとどんどん強くなっていきます。まずは日常生活の中で「いつもより多く、いつもより大きく体を動かす」ことを意識してみてください。使わないと骨は怠けてしまい弱くなります。骨を怠けさせないように体を動かしましょう。
食事に関しては、良質なたんぱく質をしっかり摂り、不足しがちなカルシウムをいつもの食事にあと200mg多く摂るようにしましょう。カルシウム以外にもビタミンDやビタミンK、マグネシウムなどたくさんの栄養素が必要になりますが、「カルシウムを多めにして色々な食品からバランスよく摂ること」を意識していただければ良いと思います。2月は節分がありましたが、節分の時には何を食べますか?豆を蒔いていわしを食べた方もいらっしゃるでしょう。豆まきの豆は大豆で、たんぱく質が豊富です。いわしはカルシウムが豊富。これは骨にはとても良い組み合わせです。これらを食べていつ鬼が来ても戦えるような丈夫な体を作っておきましょう。