講演者:本間 香 会員
1月8日水曜日、川口市里公民館にて表題のテーマで講演をしました。
昨年末、日本の和食が世界無形文化遺産に登録された折に合わせ「おせち」についてその由来などを話して日本の素晴らしい伝統の食文化を私達が子や孫たちに伝えていく役割を担っていきましょう、と話しました。
さて私たちの体は加齢と共に身体機能が少しずつ衰えていきます。老化は早い時期からの意識や、正しい知識をもって、小さな努力を積み重ねることで遅らせることも可能です。
高齢期では、運動器のちょっとした不調が元で、今まで当たり前にできていた身体活動が辛くなり、日常生活にも支障をきたして、それがやがて要介護や寝たきりへと移行してしまうケースも少なくないようです。
このような運動器のトラブルのことを運動器症候群(ロコモティブシンドローム)といい、気づかぬうちに陥っている場合が多いので、早めに自覚して予防することが大切です。
- 運動器(ロコモ)とは?「歩く」とは、脳から「歩け」の指令を神経がそれぞれの器官に届け、筋肉、骨、関節、腱などが連携プレーをして歩ける。運動器はこれらすべての総称であることを理解してもらいました。
- 運動器トラブルの中で、特に多い腰椎症、膝関節症は、長い間の酷使や筋力の低下、肥満、体の歪みなどが主が原因ですので、思い当たることがあったら、早めはやめに生活習慣を見直して、正しいケアをしながらうまく付き合うことが大切です。身体障害などが残り、要介護リスクの高い脳梗塞については知っておきたい゛前ぶれ症〝のチェック法を中心に予防法と一刻を争う対応について力説しました。
- 運動器症候群の兆候を見る7項目の「ロコモチェック」をしてみた結果、どれも筋力の低下とバランス感覚の衰えが原因で起こってくる、ということに気づいてもらえたようです。
- 運動器とうまく付き合いながら健康寿命を延ばしていくためには?
- 筋力保持を
- バランス感覚維持を
- 良い姿勢の心がけを
以上3点を理解した上で次は実践です。
椅子を使った下半身強化になるストレッチとスクワットなどを数種類してもらった後は、開眼片足立ちを各一分間ずつ。続いて壁に背を付け正しい姿勢のチェックを。「キツイ、キツイ!」と言いながらも、そのまま歩く姿は美しくお互いの姿を見て「10歳若返ったよう」と和やかな空気に包まれました。
- 私たちの体は毎日の食事で作られています。特に運動器の材料はタンパク質です。高齢期ではタンパク質不足が老化を早めてしまう原因でもあることを説明し、栄養状態の1つの指標でもある「血清アルブミン」について知ってもらいました。良質のタンパク質を中心にバランスの良い食生活の説明には「元気で長生きのための食生活15条」(ほすぴ)を使って解説していきました。
「歳をとったら脂っこい物や肉などはあまり食べないほうがいい、と思っていたけど間違っていた!」という声が漏れてきました。
最後に、90歳から書き始めた詩で、人生の大輪の花を咲かせた柴田トヨさんの生き方を紹介して、そのみずみずしく、癒される詩を朗読させていただき、終わらせていただきました。