講演者:上原道康 会員

(8月19日)
中央ふれあい館で「認知症」について話をしました。参加人数が少ないのでパワーポイント使用は止め、トークでやりました。兵庫県が発表した認知症チェックリストを急きょ配布。個々でチェックをしながら、この項目は思い当たるなどという声が聞こえました。冒頭でこのチェック表から、「認知症の心配があるということになった人はできるだけ早いうちに専門医に相談に行くようにしてください」ということで本番に入りました。
これから10年後には65歳以上の人の5人に1人は認知症となるという予測。また予備軍を入れると3人に1人という末恐ろしい時代を迎えようとしていることを話しました。そのためには認知症の方を今までとは異なった考えで接することが欠かせない時代になると説明。それが「認知症共生の時代」ですと話しを持っていきました。また従来と違って、認知症は予防できる時代、進行を止められる時代、回復することも可能な時代になっていることを説明。そのためには食生活、運動、睡眠を正しくしていく必要がある、と本題へ進めていきました。ポイントだけを書きますと、運動については、脳トレイニングとして毎日簡単にできるものの例を挙げて説明。その中で過日、100円ショップで見つけたたまご大のスポンジ製サイコロを回覧。3個でも324円(税込)。毎日食後にでもサイコロをころがし、合わせた目の数をできるだけ早く出すという遊びゲームを紹介。何も高いお金を出さなくても工夫で脳トレができることを紹介しました。また散歩しながらしりとりをするなどコグニサイズやデュアルタスクについて説明もしました。Fotolia_92197784_XS
 食生活に関しては、カロリー重視よりも栄養素重視とするべきではないかと質問を投げかけました。その理由として、高齢者は食べる量も減っていくのが自然ですが、減った分栄養素の摂取が少なくなると感染症などにもかかりやすくなり、ひいてはそれが認知症の引き金にもなりかねないことを説明。また年寄りだから肉よりも魚を、という考えはやめた方が良いと話しました。なぜなら肉を食べないとアルブミンという栄養素が減り、積極的な生活がだんだんできなくなるということを聴いてもらいました。高齢者が良く知っている「まごわやさしい」というフレーズについても、主食は何?たまごは理想的なタンパク源と聞いていませんか?牛乳は骨粗鬆症予防に飲んだ方がいいと聞いていますよね、など参加者から答えを引き出すスタイルを今回も取りました。特に牛乳は認知症予防に貢献しているという学者の論説を付け加えました。 休憩時と終了後には質問も受け、認知症に関しての関心が高いことを改めて知りました。
猛暑の中、お手伝いいただいた会員には心より感謝申し上げます。