講演者:大脇久子 会員

                          
くすりはどこへ行くのか?

medical care 001

例えば飲み薬は、
食道→胃→十二指腸→小腸(吸収)→血液→肝臓(代謝)→血液→全身
(分布)→肝臓(代謝)→腎臓

くすりが体の中にどう関わっているのか、大切なポイントです。

くすり使い方、選び方は?
風邪の季節、よく使われるのは総合感冒剤。医療機関で処方されるPL配合顆粒。薬局で購入できる例えばベンザブロック。
風邪の諸症状に対応するため色々な成分が配合されているのです。
ベンザブロックにもS,L,IPプラスと3種類。発売当初の成分のひとつピリベンザミンによって鼻水や咳などの風邪症状を抑えるということからの命名。
この抗ヒスタミン剤が曲者です。

「アセチルコリン」体の色々なところの臓器の活動に関与しています。その働きを抑えるのが抗コリン剤です。抗スタミン剤もその一つ。唾液の分泌を抑える(口内乾燥)、胃や食道の運動を活発に(消化不良)、大腸の運動を活発に(便秘)などなど薬使用目的主作用と(副作用)。薬を安全に使うために大事なことです。

膀胱の尿をため、そして排泄する仕組み。尿道が狭くなっている状態が前立腺肥大症。目の形状を保つための圧力を調節する房水の流れの不具合による緑内障。どの病気も抗ヒスタミン剤の使用に気を付けなくてはいけません。総合感冒剤の成分の一つです。

細菌とウイルス、大きさから1000倍以上の差。発症時期や主な症状の差はありますが、風邪もインフルエンザもその原因はウイルス。抗生物質はヒトにはなく細菌のみにある細胞壁を壊して細菌をやっつける薬。風邪引きに抗生物質を使用するのは×。抗生物質を使いすぎるのは効かなくなる細菌を増やしてしまいます。

インフルエンザには抗インフルエンザウイルス剤。
同じくウイルスが原因のノロウイルス。接触感染。感染症は手からはじまります。うがいや手洗いが大事です。正しい方法を覚えておきましょう(啓蒙パンフレット)。  
普段からのセルフメディケーションが大切です。
医療機関に罹っている方は「お薬手帳」はご自分のカルテにあたります。

4月から診察に関わる診療報酬の改定が施行されます。そこでは「かかりつけ薬剤師」の必要性があげられております。高齢者に見られる多剤併用の管理は医療費抑制や体への悪影響への懸念を少なくするために必要です。
高齢者薬物療法ガイドラインも改定されました。睡眠薬は認知機能低下や転倒・骨折の危険性を伴います。眠れない高齢者には、日中適度に体を動かすこと、遅寝・早起きを勧めたいです(啓蒙パンフレット)。

薬剤師の腕の見せ所としたいです。責任の重要性を感じます。ご指導宜しくお願いいたします。