講演者:両角佳子 会員


2月9日、厳寒の中、17名の皆様に新郷公民館にご参集頂き誠にありがとうございました。

私は毎冬亡くなった父のことを思い出します。父は10年前に脳梗塞で倒れたからです。あの頃の私に血圧に関する知識があればなあという反省から、「健康ノートを作りましょう」の講演をさせてもらっています。

2010年の統計によると日本人の高血圧患者数は約4300万人、50歳以上の男性の6割が、60歳以上の女性の6割が高血圧だと推計されるそうです。とても患者数が多いため、医師から高血圧がなぜ怖いのか、ゆっくり説明を受ける余裕もありません。それでも毎日きちんと血圧を測っている人は多いと思います。ではその血圧手帳をもう少し活用して自分の健康ノートにしてしまいましょう。
高齢になると複数の病院にかかることは少なくありません。A病院の先生は私がB病院でどんな治療を受けているか知らない可能性もあります。ちょっと手間がかかりますが、一度ご自身が現在かかっている病院の一覧表を作って頂きたいのです。A病院では何を治療してもらって、どんな薬を飲んでいるか、B病院では、C病院ではと、お薬手帳を見ながら一枚の紙に書いてもらって、それを血圧手帳にセロテープで貼ってください。機会があればお子さんにもお見せ下さい。現状把握ができます。

さらに、過去にどんな病歴や手術歴があったか、どんな体質や習慣があるか、自立度はどうか、このような情報はいざ入院となったら必ず書かされる内容ですので、元気なうちに一度書いておかれることをお勧めします。

ちょっとした風邪で病院に行っても必ず平熱は何度ですか?と聞かれます。時々は平熱も測り、体重計にものりましょう。そして血圧も自己管理していきましょう。血圧は24時間変動しますが、特に朝は交感神経が優位になることで上昇するタイミングです。降圧剤を服用している人はお薬の効果が落ちている朝食前に計測します。つまり最も高い可能性がある時間帯に測ることで、今日は高めだからちょっと気をつけよう、という生活のヒントになります。

私の父は愛煙家で朝起きるとすぐ一服していました。煙草を1本吸うと、血圧は20も上がりますよと、やはり愛煙家の夫がかかりつけ医に叱られました。そして父はしょっぱいものも大好きでした。また前立腺肥大があるのでトイレを気にして水分を控えていました。夜は電気毛布を入れて寝ていたので汗もかいていたと思います。

後悔先に立たず。自分の健康は自分で守る、そのために健康ノートを作り、私も気をつけたいと思います。