12月22日

県老連「健康づくり大学 」

山下義尚 会員

最近の研究で認知症は生活習慣病の一つという考え方が出てきました。例えば東京医科大学の羽生春夫先生は、糖尿病を発症すると認知症になるリスクが格段に上がることを発表されました。アルツハイマー型認知症は脳の糖尿病だとも話されています。

生活習慣がその発症に大きく影響受けるのであれば予防の可能性があります。生活習慣病の予防で大切なことは、運動とバランスの取れた食事と十分な睡眠。認知症を予防にはこれに加えて、頭を使うこと、話をすることが加わるといわれています。

認知症予防のための脳トレの本が書店には多く並んでいます。これらの本は、記憶力、注意力、推論力、視空間認識力を鍛えることを目指しています。

折紙には、次はどう折るかを考える推論力、よく見て折る注意力、一度折ったものを再度折るための記憶力、立体で折るための視空間認識力などが必要となります。まさに脳トレで鍛える4つの力を鍛えることができます。

折り紙には折りあがった時の達成感があります。身の回りには多くの紙があり、無理なく続けることが可能です。作品のやり取りを通じ他人との会話も楽しめます。

杏林大学の古賀先生は折紙を折る際の脳の血流の研究をされています。折り紙を折る際には前頭葉、頭頂葉の血流が盛んになったと発表されています。前頭葉が活発に働くのは、作品を仕上げようと意欲や集中力が働いているからだと考えられると話されています。頭頂葉は空間を認識する際に働きます。折り紙はまさに立体でものを見るから頭頂葉が働きやすいのだと、推論されています。

このようなことらから、折り紙は認知症予防を期待できるのではと考えます。  早速折ってみましょう。