6月17日 新郷公民館
山下義尚 会員
認知症を確実に予防できる方法は、現時点では見つかっていません。認知症は、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など数種類の認知症が確認されていて、またその発症原因も一つではないことが、わかってきています。
しかし、認知症の発症リスクを上げる病気はわかり始めました。それは、糖尿病、高血圧、脂質異常症などいわゆる生活習慣病といわれるものです。生活習慣病は、運動、栄養、休養、これらに気をつけることで予防が可能だと報告されています。生活習慣病の予防は間接的に認知症発症リスクを下げることに繋がります。
認知症予防学会の浦上理事長は、認知症予防のポイントは、運動、コミュニケーション、指と脳を使うことだと話されています。まさに、折り紙は指と脳を使います。
杏林大学の古賀先生は、折紙を行っているときの脳の血流量を、測定されています。折り紙を行っているとき頭頂葉、前頭葉の血流が活発になっていると発表されています。頭頂葉は視空間をつかさどる部位、前頭葉は言葉、絵画、音楽などを理解する部位を含みます。この部分の活発な活動は、認知症予防に期待が持てるのではと話されています。また、軽度認知障害や認知症の治療方法に作業療法というものがあります。折り紙も作業療法の一つとして取り入れられています。
折り紙は作品が仕上がることで、達成感が得られます。また、身の回りにある紙を利用できますし、できた作品を通して会話のきっかけにもなりえます。そういう意味では無理なく続けやすいものだと思います。
ぜひこの機会に折紙に挑戦してみてください。