2月17日 新郷公民館

佐藤衣代 会員

歯は生きていく上で大切な器官です。人間の歯は通常28~32本です。しかし、残念ながら高齢になると徐々に減っていってしまいます。歯を失う最大の原因は歯周病であり、次に多いのがむし歯です。歯を食いしばったり、歯ぎしり、かみ合わせの悪さなどによっても歯は抜けてしまいます。

歯が抜けることは歯の本数が減ってしまうだけでなく、歯周組織の一つ、歯根膜も失ってしまうことを意味しており大変な損失をもたらします。歯根膜の役割には神経や毛細血管が含まれていて、歯周組織に栄養分を送る役割を担っていたり、口腔内の状況を脳へ伝え、脳から指令を受けているからです。入れ歯になると美味しさが感じられないというのはこのためです。

歯を失わないためには日頃のケアが大切です。通常、口の中には様々な種類の細菌が住んでいて、普段は悪さをしないのですが食べ残し(磨き残し)があったりすると活動を始めます。歯周病菌の代表格のジンジバリス菌、そして虫歯菌としてはミュータンスレンサ球菌はよく知られるところです。細菌の塊であるプラークをしっかり除去することが重要で、そのためには歯ブラシだけでなく歯間ブラシやフロスなどを使うことをお勧めします。

そして、細菌から口内環境を守ってくれるものとして唾液はとても大事な働きをしています。唾液には洗浄作用や殺菌・抗菌作用、緩衝作用などがあり、食事をして酸性になった口腔内を中性の状態に戻してくれます。ダラダラを飲んだり食べたりして口の中に食べ物が入っているのは唾液の働きの妨害になります。

毎日の自分で行うケアと定期的なプロのケアに加えて口の周りの筋肉を動かすことでいつまでも元気でおいしく食事ができるようにしたいものです。