5月16日 戸塚西公民館

    佐藤衣代 会員

「息が切れる」「むくむ」「やる気が出ない」など通常の生活をしているにも拘らず、これらの変化が生じた場合には、年のせいと見過ごしてしまわずに「もしかしたら心臓に原因があるかもしれない」という知識が、心不全の早期発見につながるかもしれません。

心不全という言葉は「心不全パンデミック」とまで拡大が心配されているものの、正しく理解されていなかったり、高齢化に伴い罹患率が上昇する状況にあることを取り上げたいとの思いから、心臓のポンプ機能の低下をテーマとしました。

心臓は脳からの指令を受けることなく収縮と拡張を繰り返し、必要とする血液を全身に届けています。 しかし心臓そのものの病気、又は心臓に影響を及ぼす別の病気が原因となってポンプ機能が低下すると、十分な血液を全身に送りだせない状態になってしまいます。これを「心不全」といいます。これは病名ではなく状態を表す言葉です。

心臓の構造と血液の流れ、機能の低下と原因などを説明しましたが、何より予防が重要であり、心臓に負担をかけない生活を送ることです。過労、塩分や水分の摂りすぎ、風邪、ストレス、睡眠不足などに注意しましょう。2020年版日本人の食事摂取基準では、塩分の目標値は男性7.5g未満、女性6.5g未満ですが、生活習慣病の重症化予防を目的とした目標量は、6 g未満となっています。

自分に見合った水分量、エネルギー量を摂り、低栄養にならないよう偏らない食生活を心掛けたいものです。簡単に活用できる方法として「手のひら秤」を紹介しています。またストレス解消にもなるお風呂は夏には欠かせません。入浴の仕方として「ぬるめ、浅め・短め」は語呂がよく、生活に取り入れやすい方法ではないでしょうか。そして適度な運動はポンプ機能の維持に効果的であり、特にラジオ体操は全身を動かすので効果的です。家事も運動と思えば楽しくできます。

最後に、自分の体質を知り、体調管理をすることが体を厭うことだと思います。体重、血圧、脈拍、尿の色など自己管理の重要性をお伝えしました。