8月2日 西公民館

田村欣也 会員

はじめに「認知症、大丈夫ですか?最初に気づくのは自分」という表題の資料を配り、「私も何項目か該当します」と実例を挙げてから本題に入りました。

少しでも“おかしい”と思ったら、医師の診察を受けることです。これが最初の誰にでもできる「予防策」です。本人はうすうす気が付いているのですから。

早めに生活習慣をみなおすことなどで認知症の「発症を遅らせたり、発症しても進行を緩やかにする」ことは可能です。

認知症の内60~70%を占めるアルツハイマー病の原因であるアミロイドβは20~30年も前から脳の神経細胞にたまり始めます。突然発症するわけではないのです。

認知症の発症に繋がりやすい糖尿病、高血圧、難聴などの治療はしっかり進めてください。

具体的な予防策としては運動習慣と人との繋がり・交流が大切です。

歩く時は「できるだけ早く、姿勢よく、歩幅は広く」。でも、寒い朝や暑い日中は避け、自分の運動能力と体調に合わせて無理をしないで。そして、絶対に転ばないでくださいと付け加えました。また、笑いの多い楽しいお付き合いが大切です。

認知症は治せるのでしょうか。今の段階では進行しない期間をより長くできる程度です。

家族など周りの人の患者に対する接し方で、患者の症状は緩やかになり本人の行動も落ち着きます。

まずは認知症についてよく理解することです。本人は感じる能力やプライドを失っておらず、すごくつらい思いをしているのです。認知症の方には優しくしてください。言葉はゆっくり、正面からニコニコして。

認知症専門医で、認知症を発症しながら22回も新聞に連載を続けた長谷川和夫先生の最近「話した言葉」を紹介しました。そして先生が出版した認知症のおばあちゃんと孫のやり取りの絵本を読んで、話を閉じました。