10月17日 戸塚西公民館

  田村欣也 会員

まず、「最初に気が付くのは本人なのですから、おかしいと思ったら医師に診察してもらうことが大切です。ほおっておくと認知症になってしまうことがあります。いきなり認知症を発症することはありませんので、日常の生活習慣に気を付けてください」とアルツハイマー病を中心に話を進めました。

最近レカネマブという良い薬が開発されましたが、これも認知症の症状を元に戻すことはできません。ですから、発症しない生活が大切です。また認知症になったからと言って脳の働きが全部だめになるわけではないことを、専門家で認知症を発症した長谷川和夫先生の例を引いて説明しました。

発症しやすい病気や症状はアルツハイマー病の場合は糖尿病や難聴、高血圧、高齢者の鬱などです。予防策はあるのでしょうか。政府の「認知症大綱」では運動と社会との交流をあげました。他に「予防策」としては質の良い睡眠や十分な水分補給が挙げられます。運動習慣は脳の血流を増やすなどして、記憶力や判断力を向上させ非常に有効です。また、質の良い睡眠も大切です。寝ている間に、脳の神経細胞を死滅させるアミロイドβという蛋白質のごみを分解するのです。また、水分補給が十分でないと、脳に栄養や水分が行き渡らず脳の神経細胞に良くありません。ですから血液が一番濃くなっている朝起きたら、まず水を一杯飲んで下さい。

身近に認知症の人がいたら優しく対応してください。本人はいろんなことがわかっていてはがゆく、プライドは失っていないのです。大抵のことはわかっていて、記憶力は衰えていても感じる力は衰えていないのです。これからは皆長生きして認知症の方が増えるでしょうが、お互いに認知症を知って優しく対応する社会にして行きましょう。