10月17日 戸塚西公民館    

髙木 薫 会員  

健康を維持するためにバランスの良い食事、適度な運動、適切な睡眠といった生活習慣が大切ですが、今回の講演では腸の機能と役割を正しく知り、運動と睡眠での腸活を生活に取り入れることを提案しました。

私達の体は目に見えないウイルスなどの外敵が入ってきた時、主に小腸の腸壁にある免疫細胞が働いて体を守っています。小腸の役割は他に食べた物の消化と栄養素の吸収です。

小腸から続く大腸は、膨大な数の腸内細菌と共生しています。腸内細菌をバランスの良い状態に保つと善玉菌が水溶性食物繊維などを餌にビタミンB類等を産生し、それらが大腸壁から吸収されるので、疲労回復、美肌などが期待できます。

又、大腸は小腸から来たものと腸内細菌や腸壁から剥がれ落ちた細胞なども一緒に混ぜながら水分を吸収して便を作ります。これも大腸の役割です。

便を作るために重要な大腸の蠕動運動は体幹の筋力が低下すると動きが悪くなってしまいます。

体幹の筋力低下を防ぐ運動をすることで腸や他の内臓の機能低下をも予防できるため、講演では腸を支える腸腰筋をしなやかに保つための運動法も紹介しました。椅子に座ったままで片足ずつ交互に腿を上げる体操や上体を左右にねじる動作です。

腸の機能は他に、一日の活動に必要で自律神経のバランスを保つ幸せホルモンの一つ、セロトニンを作る役割もあります。ですから腸が正常に機能していると気持ちも前向きになれるといわれています。セロトニンは朝から日中に分泌され、夜には睡眠を促すメラトニンを作る原料にもなります。昼間、日常の身体活動や適度な運動をすることで夜間に良質の睡眠もとることができ健康に繋がります。ぐっすり眠った翌朝、スッキリ目覚めて体調が良くなった経験を皆さんはお持ちでしょう。健康的なより良い生活のために腸活も取り入れてみてはいかがでしょう。