埼玉県老連「健康づくり大学」

【在宅での転倒予防】

11月28日 立山よ志子 会員

高齢者の寝たきりになる原因の4位が骨折・転倒に起因しています(国民生活基礎調査)。転倒を引き起こす要因を内的要因(身体機能他)と外的要因(生活環境他)に分け、特に身体機能では、筋力やバランス能力の低下に加え、視覚・聴覚の問題や各種疾患・薬剤・栄養状態も影響することをお話し、そして本題である在宅(生活環境)での転倒予防ということで、実際に起きた家の中での転倒事故と対応策についてお話していきました。

実際に起きた転倒事故で、一番多い場所は居間や台所、次いで廊下・階段・玄関・トイレ・風呂場の順です。以前は風呂場での事故が多かったのですが、危ない場所という意識が高まったことや入浴サービスの利用により減ってきました。

さて、電気コードや敷居・カーペットにつまずく、座布団やクッション・新聞紙を踏んで滑る、ということはよくあることですが、特に”暗い場所“や”急いでいて“を取り上げ、注意を促し、更に転倒しやすい場所を「ぬれた・ら・く・だ・さ・ま」という標語で説明しました(資料配布)。

ではどうしたら転倒を予防できるでしょうか? まずは環境整備、部屋を片付けましょう。廊下や階段等暗い場所は、蓄光テープを電気のスイッチに貼っておくと便利です。また手すりの設置や段差解消等の住宅改修に関しては、市区町村役場の介護保険窓口や地域包括支援センターにご相談ください。またホームセンター等でも手軽に購入できる手すりや段差解消グッズ・蓄光テープなどの写真を、4枚スライドで示し説明しました。

ちょっとしたことで転倒事故は簡単に起きてしまいますが、工夫や心掛け次第で防ぐことができます。

最後に、転倒リスクをチェックする項目を2種類一緒に行った後、着座のままで、腿上げや足首を動かす等簡単な体操を行いながら、それぞれ使われる筋肉やバランス能力への影響をお話して終了しました。